気仙広域環境未来都市 医療福祉分野検討チーム コーディネーター 山村友幸さん

 

■生まれ育った大阪で阪神・淡路大震災を経験

大阪生まれで、大学からは東京で過ごす。

高校時代は、大阪で阪神・淡路大震災を経験。

直接的な被害はなかったが、通っていた学校が被災し、建物が倒壊するなど信じられない光景を目の当たりにした。

震災当日に自転車で学校を見に行った。

学校に避難していた同級生に、たまたま持っていたチョコレートあげたらとても喜ばれた。

高校が避難所になり、しばらく授業がなかったので、避難所で風呂焚きのボランティアをしたりした。

その経験が忘れられなく、東日本大震災後、被災者の方のために何かできないかと、TwitterやFacebookに意見を投稿していたら、今の仕事、気仙広域環境未来都市の仕事を紹介された。

 

■気仙地域は食の宝庫

岩手県には震災があって初めて来た。

大船渡市に来て1年ほど経ったが、本当に気仙地域(大船渡市、陸前高田市、住田町)は食の宝庫だと感じる。

気仙地域は海と山が近く水が綺麗で海の幸、山の幸に恵まれている。

旬の食べ物は本当に美味しい。

これまで住んでいた大阪や東京では、採れたての野菜を食べる機会はほとんどない。

気仙地域の野菜は、みずみずしく、ほんのりとした甘みが感じられる。

とくにお気に入りは、大船渡市の仮設商店街「おおふなと夢商店街」にある産直店「けんちゃん」で取り扱っている住田町産のズッキーニ。

生で食べても美味しく、東京の八百屋さんに送ったら驚かれた。

お肉もおいしい。

住田町産ありすポークの豚肉がお気に入り。

特におすすめは冷しゃぶ。

この豚肉を買うために大船渡市街から住田町の山奥にある売店まで車で買いに出かける。

大船渡港で水揚げされる水産物は最高だ。

とれたての魚を自ら捌いて食べる喜びは都会では絶対に味わえない。

気仙地域の豊富な食材に触れるにつれ、気仙地域の空気と水の新鮮さ、土地の恵みの深さを感じる。

 

■気仙地域は、人が温かい

気仙地域は、食べ物もおいしいが、人情も深い。

例えば、行きつけの産直店の店主、「けんちゃん」こと菊池賢一氏は、とても気前が良くもてなし上手である。

いつもいろいろなものをサービスしてくれる。

「けんちゃん」は、気さくで話も面白い。

日常生活でのユニークなお話を聞かせてくれる。

ずっと一緒にいても飽きない。

その周りに集まる方々も楽しい人たちばかりだ。

気仙地域で暮らすのが楽しいので、今年5月から東京の家を引き払い、住民票も大船渡市に移して、支援ではなく住民としてプロジェクトに参加することにした。

わたしの周りでも、震災復興ボランティアに来ていた方で、大船渡市に居を移した方が何名かいる。

ボランティア同士で縁あって結婚して大船渡に住むようになった人までいる。

みんな、大船渡市、気仙地域での生活を楽しんでいる。

 

■気仙地域が進むべき観光復興の道とは?

大船渡市は復興に勢いが感じられる。

行政も民間企業も復興に向け力強く歩み始めている。

大船渡市は過去にも津波で大きな被害を受けた経験があり、心理的な準備がもともとあったのかもしれない。

大船渡市末崎町は、集団移転の住民合意のスピードが非常に早く進んでいると聞く。

こういった大船渡市、気仙地域での復興を考える上で、重要なテーマの一つに観光復興があげられる。

観光復興の中で面白いと思っているのはホームステイ。

ゴールデンウィークに、東京から友人たちが15人ほど来て、住田町の農家にホームステイした。

みんな、食べ物のおいしさと、地域の方のもてなしに感激して帰っていった。

「こんなにおいしい野菜が食べることができるなら定期的に来たい」「もうひとつ故郷ができた気分だ」とさえ言った友人もいたほどだった。

既存の民家を使うためそれほどの投資も必要ないし、ひとつの可能性として考えていいと思う。

 

■めざす気仙地域復興の姿とは?

私は、国の「環境未来都市」の一つに選定された「気仙広域環境未来都市」の医療福祉分野検討チームでコーディネーターをしている。

主に国と気仙地域の医療福祉介護関係者との間の調整業務を行っている。

国のモデル都市に選定されたことを活用し、今後、規制緩和や優遇措置が進め、企業誘致も含め地域の活力を上げていきたい。

この地域は、土地にも海にも人にも魅力があるので、本当に日本の未来のモデルになるようなまちになっていくのではないかと思う。

その実現に向け、気仙地域の新鮮な海の幸、山の幸を食べ、人々の温かさにふれながら、日々がんばっている。