(岩手県宮古市にある岩手県立水産科学館にて交流学習の生徒さんを引率されていた沖縄県多良間村教育委員会 教育課長 嘉味田勝彦さんに、交流学習のきっかけ、岩手県宮古市の印象、生徒さんのこれからについて伺いました。インタビュー日:2012年12月6日(木))

 

 

 (写真:交流学習で訪れた子供たちには、この岩手県宮古市で得た教訓を胸に、健全で誰にでもやさしい思いやりのある人間になってほしい、と語る沖縄県多良間村教育委員会 教育課長 嘉味田勝彦さん)

 

■岩手県宮古市と沖縄県多良間村の交流のきっかけとは?

今から約150年ほど前の安政時代に、宮古市の善宝丸が76日間の漂流の末、沖縄・多良間村に漂着し、その後、多良間島民の2ヶ月の手厚い看護により乗組員が無事に宮古市に帰り着いたのが縁で35年ほど前より交流が続いております。

毎年12月に多良間村から宮古市へ、翌年1月に宮古市から多良間村へ、子供たちが交流学習を行っております。

今回は、多良間小、多良間中の児童生徒8名と引率者2名の10名で宮古市へやって来ました。

3泊4日の日程で受け入れ先の宮古市崎山小・崎山中の生徒さん宅へホームステイをしながら、新巻きザケ作りや夢入り缶(タイムカプセル)作りなどを行います。

生徒たちは、「雪がみたい、リンゴ狩りがしたい」と楽しみにやってきました。

昨年も、震災があったにも関わらず、通年と変わらずに宮古市は交流学習を受け入れてくれました。

大変、ありがたく思っております。

 

■岩手県宮古市への交流学習で生徒が精神的に成長

なんといっても、この交流学習で多良間村に帰ってきた子供たちは、気候、風土、食べ物など同じ日本でも北と南で全然違う貴重な異文化体験を通じて皆精神的に成長しています。

話下手な子が積極的になったり、さらに思いやりがある子になったりしています。

これから、震災による津波被害を受けた被災地へ向かいますが、子供たちはきっと何かを感じ取ってくれると思います。

 

■岩手県宮古市の食、酒、自然

今日は、岩手県立水産科学館で新巻鮭づくりを体験しましたが、多良間村では、魚を干す文化はないので、生徒たち一同、とても貴重な体験をしました。

多良間村では、鮭の切り身は売っていますが、さすがに一本では売っていないので、とても珍しいです。

宮古市は、この鮭を始めとしてやはりお魚がおいしいですね。

特にお刺身は脂がのっていてとてもおいしいです。

多良間村のお魚も脂はのっていますが、さすがにここまでではありません。多良間村では、温帯のため、熱帯魚のようなカラフルなお魚を食べます。

また、宮古市は、お酒がおいしいですね。

多良間村では、酒の席では、沖縄ですのでやはり泡盛が主ですが、こちらに来て日本酒を頂きました。

特に宮古市鍬ケ崎の(株)菱屋酒造店で醸造された銘酒「千両男山」は、飲みやすくてとてもおいしいので気に入っています。

今回も自分用と兄弟用と職場用と分けて買いました。

それから、こちらは、本当に日暮れが早いので驚かされます。

多良間村では、今の時期は、18時頃日の入を迎えます。

16時くらいは多良間ではまだまだ「こんにちわ」ですけど、こちらでは「こんばんわ」ですね。

また、風が頬を刺すように痛いですね。

子供たちに風邪をひかないように注意を促していましたが、あまりの寒さに私が先にひいてしまいました。

 

■岩手県宮古市と沖縄県多良間村の縁

岩手県宮古市には何かと縁があると感じています。

多良間村は沖縄県宮古郡に属していますし、沖縄県には宮古島があります。

また、多良間村にある希少な機織り機と同じものが、交流学習で訪れた宮古市の資料館を訪れた時に偶然出会い、一目見た時に「多良間と同じものだ!」とビックリして思わず叫んでしまいました。

恐らくは、この種の機織り機は、宮古市と多良間村の二か所にしか残っていないのではないでしょうか。

 

■全国に誇る多良間村の主要産業とは?

多良間村の主要産業は、黒糖と肉用牛です。

村で採れたさとうきびから作られる黒糖は生産量も品質も日本一だと思っています。

肉用牛は、多良間村で生まれてから10か月ほどで200キロから300キロまで育ち、その後、本土に運ばれてブランド牛になります。

 

■思いやりのある人間に

村では、産業が少なく、高校もないため、みんな15歳で島を巣立っていきます。

現在、多良間村では、小学生は110名ほど、中学生は60名ほどで、全て一クラスです。

そのため、多良間村では、40歳位で、息子・娘の帰りを待つおじいちゃんになってしまいます。

今日宮古市を訪れている子供たちも、数年後、今日作った夢入り缶(タイムカプセル)を開ける頃にはすでに多良間村を離れていると思いますが、この岩手県宮古市での交流学習で得た教訓を胸に、健全で誰にでもやさしい思いやりのある人間になってほしいと思います。

 

(写真:沖縄県多良間小・多良間中と岩手県宮古市崎山小・崎山中の生徒が共に体験した新巻き鮭作り。岩手県宮古市岩手県立水産科学館。)

 

※編集後記 南国の温暖な沖縄県多良間村の小学生・中学生の皆様にとってこの北国の寒冷地・岩手県宮古市での体験はたった4日間でしたが、貴重なものになったと思います。どうぞ、多良間村に帰っても、お元気でお過ごしください。そして、大人になった時にまたぜひ、また岩手県宮古市へ遊びに来てください。