(今回は、本ホームページのサポーターでもある遠野ふるさと村の支配人 鈴木裕子さんに遠野ふるさと村の魅力、これからについて伺いました。2012年12月7日(金)インタビュー)

 

(写真:遠野ふるさと村のスタッフ一同。中央の方が支配人の鈴木裕子さん)

 

■遠野ふるさと村の立ち位置を模索した一年

震災があった昨年は本当に精神的に苦しい一年でした。

今年は昨年よりも若干気持ちに余裕ができましたが、被災を受けた三陸の方々の努力は存じておりましたので、その分、うかうかしていると置いていかれる、追い抜かれるという気持ちがありました。

何かをしなくてはと、遠野ふるさと村の立ち位置を模索していました。

隣接する三陸地方が被災を受け、完全に観光活動が復興していない状況で、このまま観光を全面に出して営業を続けて行っていいものかどうか、ものすごく迷い考えました。

その結果、三陸地方の方と手をたずさえながら、観光で立ち上がって行きたいと結論が出ました。

震災後は、復興応援でいらっしゃったお客様が増えた一方で、遠野ふるさと村が目的のお客様が減っている現状です。

震災から一年以上が経ち、この復興応援のお客様が減少している今、これからは、本当に遠野ふるさと村に訪れたいという観光客を増やしていきたいと思います。

 

■新しいものを生み出すよりも、変わらないものを繰り返し伝えていく

現代社会は、常に新しいものが求められ急ぎ足で進んできたと思います。

そんな中、昔から変わらないものをじっくりと繰り返し伝えていく流れがあってもいいのでは、と考えております。

遠野ふるさと村は、昔から変わらないものをじっくりと繰り返し伝えていく施設でありたいと考えております。

遠野ふるさと村ができて16年。

来村されるお客様からは、「こんなにくつろげる場所はない」というお言葉をいただいております。

お客様のお声を聴くたびに、遠野ふるさと村は、何かを生産する場でなく、あるがままにのんびりゆったり過ごせる場所でいることが一番と考えております。

遠野が育んで来た自然と一体化された暮らしの営みを未来に向けて残していきたい、深めて行きたいと思います。

わたしたちが幼い頃に憧れていた未来は、背の高いビルが立ち並ぶ都会のイメージでした。

しかし、これからは、遠野ふるさと村のような、自然に恵まれたふるさとが、憧れの存在となれば、と思っています。

 

■あるがままをお見せしたい

遠野ふるさと村では、このような考えのもと、できるだけ自然のまま、あるがままの姿をお見せしたいと考えております。

例えば、人気があるからと、幻想的なホタルやかわいらしいリスを無理に増やすことはしておりません。

無理に増やすと遠野ふるさと村の自然のバランスが崩れてしまうのでは、と考えております。

また、きれいな花を咲かせるカタクリもあえて余計な手を加えず、小さな蟻がカタクリの種を運んで7年の歳月を経てやっと花が咲きました。

 

■「何もしないことの大切さ」を感じてほしい

来年は、震災以降少なくなった修学旅行生に来ていただきたいと思っています。

特に社会人となる前に遠野ふるさと村で感じることができる「何もしないことの大切さ」を体感していただきたい。

忙しい社会人になってからでは、決して味わうことができません。

受験、部活で忙しい学生の方にも休息が必要と考えております。

遠野ふるさと村がそんな学生の方の自分を見つめなおす場、身体と心を休める場になればと思います。

ですから、自宅へ戻られたさいにご両親に何をしてきたか聞かれた時は「昼寝をしてきた」と胸を張って言っていただければと思います。

学生の方を始め遠野ふるさと村にいらっしゃる若い方は、五感で遠野の自然を感じとっているようです。

風が運ぶ音、風の香り、温度など。

遠野ふるさと村では、都会では感じられないことを感じる良い機会と思いますので、ぜひ、学生の方にもお越しいただければと思います。

 

■冬が一番綺麗

遠野ふるさと村は、春夏秋冬、遠野の郷の四季の移り変わりがお楽しみいただけますが、実は、景色が一番綺麗なのが冬なのです。

冬は、村内も周辺の道路も集落も山も、一面真っ白い雪に覆われ、雪景色がとても綺麗です。

また、寒い日ほど、空が青く澄み渡っています。

さらに、気温が低い日に見ることができるキラキラと輝くダイヤモンドダストに目を奪われます。

他にも、茅葺き屋根から延びるツララ、凍った木々の景色、雪が積もりシーンとした雰囲気など、魅力がたくさんあります。

また、冬には、囲炉裏端で神楽を見ながら、遠野ならではの日本酒「どぶろく」が楽しめる「遠野どべっこ祭り」が開催されます。
遠野ふるさと村は、冬でも見どころがたくさんあります。

 

■手ぶらでいらっしゃってください

このように、遠野ふるさと村は、春夏秋冬いずれも様々な形でお楽しみいただけます。

ぜひ、自分のふるさとに帰ってくる気持ちで、そして、何もしないのですから、身も心も手ぶらで遠野ふるさと村にいらっしゃってください。

そして、帰りには、思い出を両手にいっぱい持ち帰ってください。

皆様のお越しをお待ちしております。

 

 

(写真:村内が一番見どころとなる冬を迎える「遠野ふるさと村」。平成24年12月7日撮影)

 ▼ホームページ
遠野ふるさと村

 

※編集後記:遠野ふるさと村について言葉を選びながら熱心に語ってくださった鈴木さんのお話に、写真を撮るのも忘れるほど聞き入ってしまいました。次回は、村内の様子をしっかりと撮影してきたいと思います。