(今回は、今年1月に岩手県山田町で、今までとは異なる新しいタイプの震災語り部ガイド事業を始めた新生やまだ商店街協同組合の理事長である昆尚人さんにお話しを伺ってまいりました。)

 

 

(写真:新生やまだ商店街協同組合の理事長である昆尚人さんと事務局長の椎屋百代さん。写真右から。)

 

■皆さんのご支援を受けながら仮設店舗で営業再開

私は、山田町の中心部にあるスーパー「びはんプラザ」の隣りで写真店を営んでおりました。

しかし、一昨年の東日本大震災による津波により店舗は流され、避難所に1日避難した後に、お隣の宮古市に住む弟宅に身を寄せました。

そして、震災から三か月後、山田町内に設けられた仮設の大型テントの商店街にて写真店を再開しました。

店舗が流され機材がないため、簡易プリンターを用いたサービス版の印刷のみを扱いました。

その後、昨年8月に仮設店舗に移り、様々な方からのご支援を頂きながら機材を揃え、なんとか震災前に近い営業態勢を整え、現在に至っております。

 

■山田町復興のために新生やまだ商店街協同組合を設立。深夜まで討議を重ねた結果、三度目の挑戦でグループ補助金の採択が決定。

自らの店舗の再開と並行して、山田町の復興のために、新生やまだ商店街協同組合の設立に携わり、現在は理事長を務めております。

山田町の核となる新しい商店街を建設するために、被災企業を支援する「グループ補助金」を申請し、第三次申請、第四次申請は不採択となりましたが、三度目の挑戦となった昨年12月の第五次申請では、見事に採択を受けました。

採択を受けるために、あえて外部のコンサルタントをお願いせずに地元山田町生まれの仲間同士で団結して毎晩遅くまで話し合いを行っておりましたので、採択の通知を受けた時は、何とも言えず、とてもうれしかったです。

これからは、採択が決まりましたので、事業を成功させるために頑張っていかねばならないという使命感に燃えております。

新しい商店街は、山田町中心部にあるスーパー「びはんプラザ」の隣に建設予定で、地元業者が10業者ほど入り、他にも目玉となる業者の入居も予定しております。

観光バス用の駐車場も設ける予定ですので、地元の方はもちろんのこと観光客の方にもお越しいただけます。平成26年3月までにはオープンさせたいと考えております。

 

■被災地の生の声を伝えたい

(写真:第一回となった平成25年1月11日(日)に開催された震災語り部ガイドの様子。被災地の生の声を伝えるガイド。)

震災後、山田町周辺の市や町では、続々と震災語り部ガイド事業を始めましたが、山田町だけは、正式なものはありませんでした。

しかし、ようやく、本年平成25年1月より、本格的に語り部ガイド事業が山田町で始まりました。

新生やまだ商店街協同組合の震災語り部ガイド事業では、皆様にメディアでは知ることができない、被災地の生の声をお伝えして、皆様の防災のお役に立ちたいと考えております。

我々の震災語り部ガイド事業は、新生やまだ商店街協同組合の事業の一つとして行われており、組合員である商店主たちが震災語り部ガイドを行う今までにはない珍しい取り組みです。

専門のガイドではなく仮設店舗の商店主たちが、時間をやりくりして行うものです。

また、他の語り部ガイドでは統一した内容を複数のガイドに語らせるところも多いようですが、私たちは、各々が商店主として体験したものを語ります。

ですから、一人足りとて同じ内容のものはないですから、何度来ていただいてもお役に立てると思います。

現在、語り部ガイドは商店主からなる組合員21名と一般ガイド3名の計24名、30代から70代までの幅広い方々により成り立っております。

 

■今までにない新しいタイプの語り部ガイド

 

(写真:平成25年1月11日(日)より、本格的に語り部ガイド事業をスタート)

新生やまだ商店街協同組合の震災語り部ガイド事業では、被災ガイド(3時間)、語り部タクシー(1時間)、語り部飲食店(30分)の3つのコースを設けております。

特にタクシーに乗りながら被災地をご案内する語り部タクシー、飲食店のカウンター越しに店主が語りかける語り部飲食店は、今までにない取り組みとして注目を集めております。

本年平成25年1月11日(日)から震災語り部ガイド事業を本格的に開始しましたが、最初のお客様は、岩手大学の先生を通じて、岩手大学の学生とNPO法人いわて景観まちづくりセンターの方々が18名いらっしゃいました。

コースは山田町大沢からスタートし、山田町中心部、御蔵山、魚市場を経て浦ノ浜まで約2時間、ガイド二人で実施しました。

参加者の方からは、「メディアでは知ることができない、被災地の生の声を聞けたのは良かった」などお褒めの言葉を多数いただきました。

おかげさまで、現在まで、テレビや新聞での報道を受け、多くの方よりお問い合わせをいただき、今月18日からは毎日団体ツアー客の予約が入っており、仮設店舗に入居している商店主である語り部ガイドはローテンションで組んで対応いたします。

 

■今後もお客様の満足のために勉強を継続

私たちは、あらゆるお客様に対応できる態勢を整えておりますので、どうぞお気軽にお越しください。

新生やまだ商店街協同組合では、今後も震災語り部ガイドとてして日々勉強を重ね、お客様に満足して帰っていただけるよう努力を続けて参ります。

 

■関連リンク

山田町ホームページ
山田町観光協会
新生やまだ商店街協同組合(Facebook)
新生やまだ商店街協同組合・震災語り部ガイド

 

※編集後記:新生やまだ商店街協同組合の理事長である昆尚人さんからは、お店でのお仕事の合間に貴重なお話をお伺いしました。中でも現役の商店主が商店主ならではの体験をもとに語る震災語り部事業は、従来からある被災地ガイドに加え、語り部タクシー、語り部飲食店を加えた3つのコースを整えるなど、新たな取り組みとして注目しております。また、山田町の復興に向けて新生やまだ商店街協同組合が開設する新しい商店街が、平成26年3月までにオープン予定です。十数億もかかる巨大プロジェクトで完成までにいろいろと大変かと思いますが、ぜひ昆さんから感じました郷土愛で乗り越えて行って欲しいと思います。