(今回は、JR東日本大人の休日倶楽部に併せて運行を開始した復興応援バスツアーの体験乗車レポートをお届けいたします)

 

■JR盛岡駅から一路、被災地宮古市へ

(写真:石割桜など盛岡市街地にある観光名所を通りながら一路宮古市を目指す)

平成25年1月20日(日)、復興応援バスツアー「浄土ヶ浜&龍泉洞 みやこ田老号」(岩手県北観光・岩手県北バス)は、首都圏を中心に遠くは富山県からも訪れた「JR東日本大人の休日倶楽部」の利用を中心とした乗客、約20名ほどを乗せ、定刻9時10分に岩手県の県庁所在地・盛岡市にあるJR盛岡駅の西口を出発。

参加者の方々からは、「今まで募金などで支援してきたが、今度は応援の意味を込めて実際に訪れることにした」、「困った方々がいるので何とか自分ができることで助けたい」、「三陸のガレキを受け入れた自治体に住むので一度三陸の現状を実際に見てみたかった」という声が聞かれた。

岩手県の名所を案内する女性観光ガイドの声を聞きながら、バスは、盛岡市街地にある観光名所、啄木新婚の家、石割桜を通りすぎると、やがて、急カーブが続く区界峠を登り、今度は、大雪に見舞われた区界高原を下り、さらに、清らかな流れの閉伊川に沿って走り、震災による津波の爪痕が残る岩手県宮古市の市街地を通り、約2時間30分かけて、岩手県を代表する観光地である陸中海岸国立公園「浄土ヶ浜」へ到着。

 

■岩手県を代表する観光地浄土ヶ浜を見学

(写真:珍しい雪景色を見せた浄土ヶ浜)

今の時期には珍しい雪景色を見せた白い岩塊が連なる浄土ヶ浜にて各々記念撮影。

参加者からは、「見事で美しい景色」、「雪景色がとても綺麗」、などの声があがる。

また、一方で「こんなに美しいところなのに津波が来たのが信じられない」と驚きの声も聞かれた。

参加者は、浄土ヶ浜レストハウス2階上部に記された津波の高さの印、周囲に広がる津波により赤く枯れた松を目の当たりにし、自然の猛威を痛感。

その後、バスは、昼食会場となるJR宮古駅前へ。

 

■三陸の港町・宮古の海の幸を堪能

(写真:JR宮古駅前にあるお食事処で海の幸を堪能。)

ちょうどお昼の時間帯にJR宮古駅に到着。JR宮古駅前から延びる通りには、三陸の新鮮な海の幸を扱った寿司店やレストランが立ち並ぶ。

自由昼食となり、各々好みのお店を見つけては、三陸の海の幸に舌鼓。

各店が腕を振るった寿司、海鮮丼、磯ラーメンなどの三陸の味覚が参加者の胃袋を満たした。

海鮮丼やばらちらし丼には、新鮮なネタが気前良く盛られ、また、磯ラーメンには、たっぷりの三陸産のワカメやメカブと冬の宮古の名物である身の締まった毛ガニが入り、注文したお客を喜ばせた。

 

■震災から復旧した三陸鉄道に乗車

(写真:子供たちに人気のキャラクターが手をつないだ「てをつな号」)

三陸の味覚で空腹を存分に満たした後、震災から一部区間が復旧した三陸鉄道に乗車。復興支援に伴い、ポケットモンスター・ドラえもん・スヌーピーなど子供たちに人気のキャラクターが描かれた「てをつな号」は、13時20分定刻に三陸鉄道宮古駅を出発。

地元のお客に紛れバスとは異なる雰囲気を楽しみながら、一両編成の「てをつな号」は、山が海に迫るリアス式の地形を長いトンネルで何度も抜け、やがて田老駅へ到着。

 

■震災語り部ガイドのお話に涙

(写真:震災語り部ガイドより宮古市田老町の被災状況を伺う)

田老駅からは再びバスに乗り津波による被害を受けた、たろう観光ホテルへ向かう。

途中、被災し建物が皆無となった宮古市田老町中心部、一部崩壊した世界一と言われる防潮堤が現れると、車内は今までの楽しい旅行気分が一変し、真と静まりかえった。

建物の2階までが筒抜けとなった想像を絶する姿の、たろう観光ホテル前にて、震災語り部ガイドより宮古市田老町の被災状況を伺い、その後、調査により建物の安全性が確認された、たろう観光ホテルの5階の一室へ。

たろう観光ホテル社長松本勇毅さんがこの部屋で命がけで撮影された生々しい津波の映像を視聴。時速100キロを超えると言われるほどもの凄いスピードと高さでホテルに迫ってくる真黒な津波の映像に一堂言葉を失う。

津波により多くの命が奪われたと、震災当時の状況を涙ながらに語る女性の震災語り部ガイドの姿に皆、心を打たれる。

ハンカチで必死にこらえるご婦人の姿も見られた。

命の大切さを再認識させられる。

 

■日本三大鍾乳洞のひとつ龍泉洞へ

(写真:自然の造形美に圧倒される龍泉洞。写真提供:岩泉町。)

お話を聞かせていただいた語り部ガイドの方に手を振りながら、たろう観光ホテルを後にしたバスは、雪化粧をまとった断崖絶壁の冬の三陸海岸を北上し、日本三大鍾乳洞のひとつである岩泉町にある龍泉洞へ。

自然が何千年もの長い時間を経て生み出したと言われる細長い鍾乳石の姿、世界でも有数といわれる30メートル以上も下の湖底が見渡せるほどに透明度が高い湖水に、洞内には感嘆の声が響き渡った。

バスへ戻ると、岩泉町からツアー参加者へモンドセレクション最高金賞受賞のミネラルウオーター「龍泉洞の水」がプレゼントされ、粋な計らいに、皆、心を弾ませた。

 

■三陸の思い出を胸に帰路へ

(写真:三陸の思い出を胸に。浄土ヶ浜にて。)

バスは一路、終着地のJR盛岡駅へ。北上高地の白樺林も確認することができないほど窓の外は真っ暗となり、本州一寒いと言われる深い山々に囲まれた盛岡市藪川の集落を通過。外は寒かったが、三陸の人の心、自然の美しさに触れたツアー参加者の心の中は温かい思い出に満たされていたに違いない。

 

▼関連ホームページ

JR東日本 大人の休日倶楽部
岩手県北バス 震災復興バスツアー (オンラインお申込み
いわて復興応援バスツアーご案内パンフレット(PDFファイル)
「浄土ヶ浜&龍泉洞 みやこ田老号」体験乗車レポート(イーハトーブログ)
【体験レポート第2弾】復興応援バスツアー「釜石・大槌・山田号」