(今回は、前回とは別のJR東日本大人の休日倶楽部に併せて運行を開始した復興応援バスツアーの体験乗車レポートをお届けいたします)

 

■「旅することで応援したい」。参加者の思いを乗せたバスは、被災地釜石へ

 

(写真:明峰・岩手山を望みながら三陸の被災地へ向かう復興応援バスツアー「釜石・大槌・山田号」)

平成25年1月21日(月)、復興応援バスツアー「釜石・大槌・山田号」(岩手県北観光・岩手県北バス)は、首都圏を中心に遠くは長野県からも訪れた「JR東日本大人の休日倶楽部」の利用を中心とした乗客、20名ほどを乗せ、定刻9時10分に岩手県の県庁所在地・盛岡市にあるJR盛岡駅の西口を出発。

参加者の方々からは、「三陸を夫婦で旅行することで復興応援をしたい。明日も別ルートの復興応援バスツアーに乗ります」、「復興支援のために今回のツアーではたくさん買い物をして帰りたい」、「もうすぐ80歳を迎えボランティアはできないので、三陸を旅行することで復興応援をしたい。できるだけ多くの仲間に声をかけてやって来ました」という声が聞かれた。

岩手県の名所を案内する女性観光ガイドの声を聞きながら、バスは、冬の晴れ間に全容を見せた明峰・岩手山を横目に、東北自動車道を南下し、宮沢賢治の生誕地で各地にゆかりが残る花巻市からは、釜石自動車道を東進し、雪に覆われた山々が連なる民話の故郷・遠野市を経て、さらに雪深くなり急峻な山がそびえたつその名も「仙人峠」を自動車専用道で一直線に越え、震災による津波の爪痕が残る釜石市のJR釜石駅近くにある仮設「釜石はまゆり飲食店街」にちょうどお昼に到着。

 

■復興に向け店主が腕を奮う復興飲食店街で昼食

(写真:「釜石はまゆり飲食店街」にて復興に向けて店主が腕を奮った料理を堪能)

プレハブ作りの仮設食堂・居酒屋・飲み屋が、40店以上も連なる「釜石はまゆり飲食店街」で自由昼食。各々好みのお店を見つけては、麺類、定食など店主が一日も早い復興に向け腕を奮った料理を味わう。

津波により長年営んでいた店舗が流された料理店店主が切り盛りする仮設店舗では、提供するランチ定食が800円という値段にもかかわらず、ご飯とみそ汁に、甘エビ・マグロの刺身と、野菜天ぷらの盛り合わせ、小鉢が付く。

その安くてボリュームのある料理に心配になり、「儲けがないのでは?」と料理を運んで来た女性に声をかけたら、笑って返された。

 

■震災語り部ガイドの一言ひとことに頷く

 

(写真:津波により被災した旧大槌町役場にて震災語り部ガイドより震災当時の状況を伺う)

昼食後、再びバスに乗り、震災語り部ガイドを伺うため国道45号線を北上し、大槌町をめざす。

途中、津波により建物がほとんどなくなった釜石市中心部、大槌町中心部を通過すると、車内の空気は一変した。

バスを降り、多くの犠牲者が出た大槌町役場にて黙とう後、若者が務める震災語り部ガイドのお話を伺う。

最愛の人を失いながらも気丈に話す震災語り部ガイドの姿に皆、感銘を受ける。

「防災は既成概念を鵜呑みにするな」、「愛する人を守ってあげて」、「今日、身近にいる人を大切に」など言葉の一言ひとことに重みが感じられた。

再びバスに乗った後、手を振る震災語り部ガイドの姿を見て、ご年輩の乗客は、「ここには、本当にしっかりした立派な若者がいる」と頷いていた。

 

■大槌の上質な湧水を使った自家焙煎コーヒーで一服

(写真:津波による廃材を利用して建てられた「Cafe & Bar Ape」でコーヒーブレイク)

旧大槌町役場を後にしたバスは、国道45号線を北上し、大槌町の北部、作家故井上ひさし著作「吉里吉里人」ゆかりの地、吉里吉里地区へ。

震災後オープンした喫茶店「Cafe & Bar Ape」(カフェ&バー・アぺ)にてコーヒーブレイク。

津波により家屋が流され広大な空き地が広がる吉里吉里地区に忽然と建つ小屋のような建物は、ミュージシャンでもあるマスターが、津波で流された実家跡地に、ガレキの中から拾い上げた廃材や流木を集めて建てた。

建物内は、意外に広く、南国を感じさせる明るい内装で開放的な雰囲気。大槌町で噴出する上質な涌き水を使ったという自家焙煎のコーヒーは苦味がなく体にスッと入っていく。

一緒に提供された大槌町産の濁り酒を練りこんだ酒饅頭などの菓子との相性も抜群でツアー参加者同士の会話が弾む。

 

■水産加工業者5社が設立した「五篤丸水産」にて三陸の水産加工品を購入

(写真:山田町の伝統ある水産加工品が一堂に集結した「五篤丸水産」で買物)

バスは、「Cafe & Bar Ape」を後にし、「海の十和田湖」と言われるほど風光明媚な山田湾を横目に、最後の目的地、震災後に山田町の水産加工業者を中心に5社が設立した土産品店「五篤丸水産」へ。

山田町もまた、中心部を始め海岸沿いの各地区が津波により流され、建物の土台だけが残る広大な空き地が広がっている。

その一角にある土産品店「五篤丸水産」にて、参加者は、皆、店内に所狭しに陳列された、イカ徳利、イカの塩辛、サバの味噌煮など、三陸の人々が長年に渡って編み出して来た水産加工品を買い物カゴへ次々と入れていく。

 買い物カゴに気前よく、あふれんばかりに商品を詰め込むそのお姿は、まるで、参加者の方の三陸への応援の気持ちを表しているかのようだった。

 

▼関連ホームページ

JR東日本 大人の休日倶楽部
岩手県北バス 震災復興バスツアー (オンラインお申込み
いわて復興応援バスツアーご案内パンフレット(PDFファイル)
【体験レポート第1弾】復興応援バスツアー「浄土ヶ浜&龍泉洞 みやこ田老号」