(今回は、大槌町で郷土の自然や文化を守りながら復興活動を行っているNPO法人があると聞いて、NPO法人遠野まごころネット副理事長 臼澤良一さんを訪ねてみました。平成25年3月1日公開。)

 

■町民の心が一つになった鹿踊り

この度の震災により私が住む大槌町は、大きな被害を受けました。

震災後、あまりにその被害が大きく、町民の心は大きなダメージを受け、心のよりどころがありませんでした。

そんな中、なんとか町民を元気づけようと、町内にある公民館で古くから伝わる鹿子踊を行ったところ、ご覧になっていた被災者の方も踊る町民の方々も共に涙を流し、コミュニティーが寸断さればらばらだった町民の心が一つになりました。

大槌町の原点はこれしかないと感じました。

大槌町の原点であるこの鹿踊りを、代々伝えて来てくださった郷土の先輩方に感謝するとともに、震災で途絶えさせてはいけない、これからも未来に伝えていかねば、と強く感じました。

 

■カンナガラを全国に届ける「神の森どろの木プロジェクト」

しかし、この大槌町の郷土芸能である鹿踊りを継承するにあたり、一つ問題がありました。

それは、鹿踊りの髪の毛に使う泥の木が、全国的に不足していることでした。

泥の木とは、寒く湿った場所に育つ泥のように柔らかい芳しい香りがする木で、薄く削ったものはカンナガラと呼ばれ鹿踊りの髪の毛など全国各地に残る郷土芸能に使われます。

そこで、泥の木を大槌町で育て、全国各地にお届けしようと「神の森どろの木プロジェクト」を計画しました。

現在、このプロジェクトは始まったばかりですが、小岩井農場の先生など、全国の多くの方々からご協力をいただいております。

このプロジェクトは、単に泥の木を育てるだけでなく、郷土芸能の伝承はもちろんのこと、間伐、枝打ちなどの林業体験を通じた環境教育の場にもしていきたいと考えております。

 

■大槌で生きるために、生産から加工、販売を行う六次産業化を進め雇用の場を創出

震災後、わたしは、今まで様々な復興活動を行い多くの方々と関わってきましたが、その中で感じたことは、ここ大槌でネットワークを作ってここで町民の方と共に生きていくしかない、ということでした。

そこで、「遠野まごころネット」では、大槌町において、生産者自らが生産から加工・販売までを行う六次産業化を進め、大槌町に雇用の場、産業を起こそうと考えております。

現在、その活動の一環として、私たちは、大槌町において「まごころ弁当」のプロジェクトを行っていますが、さらに、大槌町で採れたニラやニンニクなどの里山の恵みと牡蠣や帆立や海藻などの里海の恵みを包みこんだ「海鮮餃子」のプロジェクトを計画しております。

ここでは被災され職を失った方を十数人程の雇用を計画する予定です。

「海鮮餃子」のプロジェクトでは、ギョーザの販売だけでなく、食事をするスペースを作り町民の憩いの場とするとともに、インターネット販売を行って全国のみなさまにも大槌の味をお届けしたいと考えております。

また、六次産業化においては、海鮮餃子のプロジェクトの他にも、大槌町では、「はーぶの郷」のプロジェクトも進んでおります。

ハーブを育てハーブ園を作り、そこでハーブティーやハーブを使った染物などをお届けしたいと考えております。

今後も「遠野まごころネット」では、被災地の方々とともに、地域の文化や自然を守りながら復興活動を進めてまいりたいと思います。

 

■お問い合わせ

遠野まごころネット
まごころ広場うすざわ
まごころ弁当

遠野まごころネット(特定非営利活動法人)大槌事務所
〒028-1132:岩手県上閉伊郡大槌町大ケ口1丁目1-38
電話番号:0193-42-7666