(今回は、被災地における観光振興と地域づくりのシンポジウムがあると聞いて、経済産業省ソーシャルビジネスノウハウ移転・支援事業「被災地における着地型観光と地域づくりを考える」に参加してまいりました。平成25年2月26日公開。)

 

■被災地にノウハウを移転し、仕事を作り雇用の場の確保を。

(写真:釜石市内外から30名近くが集まったシンポジウム「被災地における着地型観光と地域づくりを考える」)

平成25年2月25日(月)、岩手県釜石市の北部山間地にある橋野町多目的集会施設にて、経済産業省ソーシャルビジネスノウハウ移転・支援事業「被災地における着地型観光と地域づくりを考える」のシンポジウムが開催。

本シンポジウムは、被災地にノウハウを提供し仕事を作り少しでも雇用を生み出すことを目的に、三陸ひとつなぎ自然学校(岩手県釜石市)が主催、NPO法人日本エコツーリズムセンターが共催、橋野町振興協議会が協力、釜石市が後援。

地元釜石市を中心に旅館な どの観光関係業者、地域づくり関係者など30名近くが参加。

 

■橋野地区に残る日本でも貴重になりつつある文化とは?

 

(写真:岩手県釜石市橋野地区の魅力を語る坂元英俊氏)

まず最初に、東北観光博アドバイザーで、NPO法人日本エコツーリズムセンター世話人を務める坂元英俊氏が、熊本県の阿蘇地域1市7町村の広域連携 プロジェクト「阿蘇カルデラツーリズム」のプロデューサー的役割を務めた経験をもとに、本シンポジウムが開かれた釜石市橋野地区の地域づくりの方向性に関して講演。

橋野地区に残る「ねまり文化」(もてなし文化)を日本でも珍しいもてなし文化が残る貴重な地域として着目し、橋野地区に在る鉄を溶かす洋式高炉日本発祥の地を掛けて、橋野地区は都会で暮らす疲れて鉄のように固まった人の心を、橋野地区に残る「ねまり」(もてなし)で柔らかくして帰っていただく地域づくり活動をアドバイス。

そして、あえて橋野地区に残る日本様式高炉発祥の地を前面に出さずに、あくまで最初に人と人とのつながりを大切にした上で、その後、日本様式高炉発祥の地をアピールすることを提唱。

 

■地域起こし活動が、地元の理解を得るためには?。

 

(写真:NPO法人ねおす設立時の体験談を語る宮本英樹氏)

次に、同じく東北観光博アドバイザーでLLC観光まちづくりセンター代表社員の宮本英樹氏が、北海道の体験型自然学習を提供しているNPO法人ねおすの設立に参加した経験をもとに、地域づくりを行う上での要点を講演。

宮本氏が、NPOねおす設立時、新しい取り組みゆえになかなか地元の理解が得られなかったが、都会からの地域のファンを地道に増やしていくことで地元の理解を得られたエピソードを語るなど、地域づくりを行う上での要点を解説。

 

■被災地の地域づくりについて活発な意見交換

 

(写真:シンポジウム開催に先立って行われたワークショップで作成された岩手県釜石市橋野地区の地域づくりアイデア)

最後に行われた意見交換会では、活発な質問が行わ、講師の方からは、「地域づくりでもっとも大切なポイントは、いかに地域にあるものを掘り起こし、その中から何が日本の中から選ばれるものになるのかを見極めることが大切」とのアドバイスをいただいた。

参加者一堂、各々被災地の観光振興、地域づくりへの思い を再確認しながら、シンポジウムは幕を閉じた。

 

■シンポジウムを主催した「三陸ひとつなぎ自然学校」代表伊藤聡さんからのメッセージ

(写真:シンポジウムで「三陸ひとつなぎ自然学校」の概要を説明する代表の伊藤聡さん)

2012年に立ち上げました「三陸ひとつなぎ自然学校」では、現在、中長期のボランティアを受け付け、被災地に直接入り込んで被災者の方ととも問題解決策を探る活動を行っております。

この活動を通じて、被災地で学んだ問題解決能力を、各地、現場へ戻った時に様々な面で発揮していただければと考えております。

被災地では、まもなく震災から2年が経ち、緊急的な復旧がひと段落し、復興も転換期にきていると思います。

このシンポジウムを通じて、地域と人のつながりがさらに深くなり、地域に受け継がれてきた知恵や技術が、震災によって途絶えることなく、次代を担う若い方々への継承されるきっかけとなればと考えております。

 

■参考資料

三陸ひとつなぎ自然学校(Facebook)

経済産業省ソーシャルビジネスノウハウ移転・支援事業「被災地における着地型観光と地域づくりを考える」ご案内(PDFファイル) 

 

※編集後記:被災地の復興を考える上で、その経済波及効果が大きい観光の振興は重要課題です。津波で流されたハード面の整備は必要ですが、それとともに観光客をもてなすソフト面も大切です。今回のシンポジウムでは、地域づくりのノウハウ移転というソフト面にスポットを当てたもので、講師の方から地域づくりを行う上での大変有益なアドバイスをいただきました。本シンポジウムを通じて、被災地に残された地域資源がさらに磨かれ魅力あるものとなり、都会から来た方をおもてなしし、少しでも被災地の観光復興に繋がることを願っております。